久しぶりに落書きＵＰです。

悠久組曲設定利用のｍｏｏ系キャラ総出演な学園物、として書きました。
それでは、ご覧下さい。

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「やっ！たあっ！！」
　クレアの気合いの声と共に、木製の薙刀が繰り出される。
　カンカンカンッ！！
　グローウォームはそれを冷静にさばき、木が打ち合う乾いた音が道場の中に
響き渡らせた。
　しばらくクレアの攻勢が続いたが、やがて限界が訪れた。それをすばやく察
知し、彼女はいったん間合いを取ろうとした。だが、グローウォームの反撃の
方が速かった。
「行くぞ」
　その声と共に、グローウォームの連続攻撃がクレアに襲いかかった。その攻
撃は速さと鋭さにおいて、クレアのそれを遥かに上回っていた。
「くっ・・・」
　クレアはその攻撃を数回防いだものの、そこまでであった。
「あっ！・・・」
　得物をはじきとばされたクレアの口から驚きの叫びがもれた。そんな彼女に
薙刀の切っ先を突き付けたグローウォームは穏やかな微笑を浮べて宣言した。
「ここまで、だな」
「はぁ、まいりました」
　ため息と共に負けを認めたクレアは、グローウォームに引っ張り起こしても
らった。と、そこへ道場を震わせるような怒号が響き渡った。
「グローウォーム！！てめぇ、クレアに何をするーーー！！？」
「・・・あいつはお前の事をつけまわしているのか？」
　アルベルトの怒号に鈍い痛みを訴え始めたこめかみを押えつつ、グローウォ
ームは頭を振った。問われたクレアも答えようがなく、あいまいな笑みを浮べ
るのがせいぜいであった。
　そんな二人の疲労感にお構いなく、アルベルトはどんどんヒートアップする。
グローウォームの引っ張り起こした手をクレアが放さないままでいたというの
もアルベルトがヒートアップした一因であろう。それが限界に達した時、アル
ベルトはグローウォーム目がけて突撃を開始した。
「きーーさーーまーー！！」
「はぁ・・・クレア、後、よろしく。派手に投げていいから」
「はぁ・・・分かりましたわ」
　２人そろってため息まじりの会話を交わすと、クレアはアルベルトに向き直
った。無論、逆上したアルベルトにそんな光景は見えていない。彼に見えてい
るのは、合気道の構えを取るクレアの後ろにいるグローウォームだけだ。
「グローウォーム！覚悟ーーーーーー！！」
「はぁっ！！」
　クレアの気合の声は、アルベルトの怒声の前にかき消された。だが、意図が
実現したのは声がかき消されたクレアの方であった。絶妙のタイミングでアル
ベルトの腕と襟を捕まえた彼女は、兄の勢いを利用して後方へ投げ飛ばしたの
だ。
「うおっ！？」
　驚きの声を上げたアルベルトの身体は、途中グローウォームに軽くかわされ、
そのまま道場の壁に激突した。
「ぐあっ」
　派手な激突音と共に短いうめき声を上げたアルベルトは、これまた派手な音
を立てて床に墜落して完全に気絶してしまった。
「あんたらねぇ・・・」
　この光景を黙って見物していた顧問のバーシアは、呆れたように髪をかき上
げつつ呟いた。
「少しは道場をいたわんなさいよね。壊したら、アタシがランディに文句言わ
　れるんだから」
「心配しなくてもいいぞ。壊れたら、俺が直しておく」
　２人とも、全くと言っていいほどアルベルトの心配をしていなかった。無理
もないと言えなくもないが、さすがにあんまりだろうと思ったカレンが口を挟
んだ。
「２人共、少しはアルベルトクンの心配をした方がいいんじゃなーい？」
「それは心配ないでしょ。ほら」
　バーシアがゆび指した先には、気絶した兄を介抱するクレアの姿があった。
「兄さま、お願いですから、少しは落ち着きというものを身につけて下さい」
　呆れ半分、心配半分の表情で膝枕するクレアに、グローウォームは苦笑混じ
りに声をかけた。
「クレア、アルベルトが目を覚ましたら保健室に連れて行け。今日はもう上が
　っていいから」
「申し訳ありません、兄さまのせいで・・・」
「気にするな。俺も楽が出来ていい」
「グロウクン、今そんな事言っていると、将来はバーシアみたいになるわよ」
「うげ、それはさすがに遠慮したいぞ、俺としては」
「ちょっと・・・あんたら、アタシを『なっちゃいけないモノＮｏ１』とか
　思っているわけ？」
『うん！』
　身も蓋もなく同意され、バーシアは二の句が継げなくなってしまったのだっ
た。

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それでは、こんなところで。