松です。2003/03/06の続きです。一応、これで完結ってことにして下さい。
＃これ以上、進める気力がないもので；ネタもないし；

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

　操作を終えると、動力炉の動きが変わってきた。それまで、自爆というより
は、他者を破壊しようとするかのように外部に向けてエネルギーを吐き出し続
けていたのだが、それがまっとうな自爆−自身の破壊−に向けたエネルギーの
蓄積へと変わっていったのだ。無論、すでに動力炉はあちこちにガタが来てい
たから、完全に外部へエネルギーの放出が止まったわけではない。それでも、
いくらかはましになった。少なくとも、他の艦艇が接近できるようになったの
だ。
「これで・・・！」
　ほっと安堵の息をもらした彼女が、突然その場にへたりこんでしまった。秀
麗、美人、そう呼んで差し支えない顔には、脂汗が浮かんでいる。
「なんて・・・・無様な。たかが３８口径弾の１発も耐えられないなんて！」
　搾り出すようにうめくと、左わき腹に手をやった。そこは、にじみ出ている
血で、ぐっしょりと濡れ、さらに白衣も赤く染めつつあった。
「出血だけね・・・内蔵はやられていないようだけど・・・まさか、死に際の
　１発が当たるなんてね」
　そう呟いて、自分の身体を見下ろす。射殺される直前、クルーガーが振り向
きざま放った銃弾が、彼女の左わき腹に命中していた。彼女は、今までその痛
みをこらえて作業していたのだ。
　荒い息を整えると、手すりをつかみ、力を込めて自分の身体を引き起こす。
「これでへばっちゃ、今まで殺してきた連中に馬鹿にされるわよね」
　口の端に皮肉な薄い笑みを浮べて呟く。
　手すりにもたれかかりながら、階段を下りる。一歩進むごとに崩れそうにな
るのを、必死になって手すりにつかまる事でこらえる。荒い息を吐きながら、
彼女は外への長い道のりを進んでいった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

それでは、こんなところで。