少女義経後伝 与一
神機をめぐる２度目の戦いの後、弁慶は神機を守るべくこの時代に残る事を
選択した。最愛の人、那須与一と共に・・・
それから１０年。弁慶と与一の２人はこの国を離れ、海を越えて大陸へと渡
っていた。那須家の家督相続問題の解決と神機を狙う連中に対する目くらまし
のためだ。
大陸北部へ渡った２人は現地部族に迎え入れられ、そこを第２の故郷とした
新たな生活を営んでいた。
これは、そんな２人のある日の一幕である。
「ただいま」
１０日間の巡回から戻った弁慶が我が家で最初に見たものは、胸元はだけて
・・・というか形の良い乳房を完全にさらけだして、２人の間に生まれた子に
母乳を与えている与一の姿であった。
その与一はと言えば、赤子を胸に抱いたまま顔を上げると柔らかい笑顔を彼
に見せた。
「おかえり。すまんな、今は手が離せなくてな」
「それはいいけどさ。それにしても、こいつ、よく飲むな〜」
「お前に似て大食いなんだろうな。これからが大変だ」
「うっ」
与一の一言に、弁慶は思わず言葉に詰まる。相手がそうやって黙ってしまっ
た事に頓着せずに、彼女は授乳を続けた。
やがて満腹した赤子をふたたび籠に寝かせた時、突然に弁慶が背後から抱き
付いてきた。しかも、まだしまっていない胸をまさぐるというおまけ付きで。
「べ、弁慶！？」
「わりぃ、その格好見ていたら、我慢できなくなった」
「なっ・・・たかが授乳しているところを見たくらいで何をさかっている！？」
「いや、やっぱ１０日間禁欲していたから、抑えが効かなくって・・・」
そう言いながらも、胸をまさぐる手は休めない。それどころか、掌に絡んで
きた母乳を塗りつける有様である。
「い、いい加減にしないか！このば・・・」
「馬鹿者」と振り返って怒鳴りつけようとした時、待ってましたとばかりに
弁慶がキスして口を塞いだ。そのまま、舌を絡めあうディープキスに持ち込む
と、３０秒とたたずに与一の体から抵抗の力が抜けた。それを感じとった彼は、
与一の口を解放すると、間髪を置かずに横抱きに抱き上げた。
「さあ、夫婦の営みのために！いざ行かん、寝所へ！！」
芝居がかった口調でとんでもな事をのたまわると、弁慶は言葉通り、寝所に
向かって吶喊した。
その後、寝所で２人がした事については、あえて記述しない。何をしたか察
する事が出来る人は想像通りとしか評しようがなく、察せない人には、具体的
記述をするわけにはいかない事なので。
・・・余談ながら、この翌日には、あちこちボロボロにされた割りに、妙に
すっきりとした感じの弁慶の元気いっぱいな姿が目撃されている。そして、何
故かてぬぐいを首にかけ、足元をふらつかせつつ、痛むらしい腰を頻繁に叩き
ながら「体中あちこち痛い」と愚痴る与一の姿も目撃されている。この２つの
事実の相関関係は不明である。
・・・どっはらい
後書き
松です。「少女義経後伝 与一」をお届けします。
なんつーか・・・短い馬鹿話です。
そして、タイトル通り、与一ＥＮＤ２後の話です。
元はリクエスト掲示板にあった与一絡みのネタから整合が取れそうなネタを
１つにまとめたものです。
＃ちなみに「その後」「１０年後」「授乳」ですな
まぁ、吶喊した後の弁慶が何をやらかしたかについては、ご想像にお任せ、
ということで。
いあ、具体的に書いたら、裏ページ行きですし（待て）
ちなみに、与一の「体中あちこち痛い」は「ガンパレードマーチ」の芝村舞
の台詞から。
あれもネタにしやすいい台詞の多いゲームですな。
それでは、こんなところで。
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松