と、いうわけで「女の子主人公」版ＳＳです。一応大雑把に彼女の説明をし
ますと・・・
名前 オフェーリア（愛称、オファ）
年齢 １８（悠久１、開始時点）
身長 １６９ｃｍ
３サイズ Ｂ７５・Ｗ５５・Ｈ８５
髪の色 茶
瞳の色 黒
・・・はっきり言って、胸がないです（笑）。悠久１女性キャラの中で一番
胸がないという・・・。さらに目は長い前髪で隠れ気味だわ、服はゲーム中の
ままだわで、よく男と誤解されます（爆）。
まぁ、おかげで、クリスに苦手意識を持たれずに済んでいます（笑）。
彼女の得意分野は魔法です。神聖を除く全てを使いこなせます。ついでに、
〈グリムゾン・ナパーム〉〈ヴァニシング・レイ〉とかも使いこなせます。
ついでに、彼女はクリスが気になってしょうがなかったりします。
それでは、お楽しみください。
アレフに鍵を
「はい、私の部屋の鍵。あんたにあげる」
「ええっ！オファさん、いいんっスか！？」
テディが住み込みで働く少女、オフェーリア−通称、オファ−に驚きの声を
上げた。
当然だろう。オフェーリアとアレフ、会えば確実に「どつき漫才」を演じる
２人だ。アレフいわく「俺が付き合っている女の子の数」、オフェーリアいわ
く「アレフを刺す可能性のある女の子の数」を示す鍵を渡すような仲では決し
てない（少なくとも表面的には）。
それなのに・・・と問うようなテディの視線にオフェーリアはあっけらかん
とした笑顔で応じた。
「いいのいいの」
「やぁうれしいよ、マイ・ハニー。ようやく俺の魅力に・・・」
「甘い笑顔」（アレフ談）と共にアレフは彼女のおとがいに手をかけたが・・・
ドカッ
「調子に乗るな！！」
一瞬後、声と共に〈アイシクル・スピア〉がアレフの顔面に叩き込まれてい
た。いつもの事ながら、「抜く手も見せぬ」ならぬ「詠唱が聞こえぬ」ほどの
早業である。
「・・・ったく、毎度毎度このパターンでやられてるってのに・・・学習能力
の無い奴。言っとくけど、単にお金が惜しいだけだからね、鍵を渡すのは」
「いやぁ、照れ隠しに〈アイシクル・スピア〉なんて、君も素直じゃ・・・」
「やっぱこいつ、〈クリムゾン・ナパーム〉で消し炭にした方がいいかしら？」
〈ヴォーテックス〉に比較すると、遠距離誘導能力に欠けるものの、破壊力
は上回る攻撃魔法の名を耳にしたアレフは、大急ぎでその場を離れたのだった
・・・。
「逃げた、か・・・」
残念、と言いたげに舌打ちする。前にたらした髪のせいで隠れ気味の目が、
恐いくらいにすわっている。
「オファさん、〈クリムゾン・ナパーム〉なんて使ったら、店の中がめちゃく
ちゃになるっス！せめて〈カーマイン・スプレッド〉にして欲しいっス！！」
と、そんな恐い彼女に、勇敢かつけなげに抗議するテディ。それに対する彼
女の回答は・・・
「大丈夫、大丈夫、一週間もあれば直るから、エルんとこみたく」
「それはエルさんの店やさくら亭みたいな特殊で変な所だけっス！！」
「どこが変なのよ！！」
言葉と共に、鉄拳がテディの頭に落ちてきた。痛む頭を押さえてテディが振
り返ると、さくら亭の看板娘、パティが腰に手を当ててにらみ付けていた。
「あんまりバカな事言っていると殴るわよ！」
「そーゆーことは、殴る前に言って欲しいっス・・・いつもの事っスけど・・・」
後ろ半分は聞こえないように抗議するテディ。そんな魔法生物を無視して、
「おかえりー、パティ」
「オファ。アレフの奴がずいぶん上機嫌で逃げてたけど、何かあったの、あい
つ？」
「別に、誕生日プレゼントに私の部屋の鍵、あげただけだけど？」
「ふ〜ん、あんたの部屋の・・・鍵ぃ！？」
パティの声が一気に大きくなった。思わずオフェーリアにかみついた。
「あんた正気！？アレフに鍵を渡す女の子って、全員あいつと付き合ってんの
よ！あんたまでその仲間入りする気！？」
「別に、アレフと付き合うなんて、当の本人にも言ってないわよ。ちゃんと、
お金がないからって言っておいたし」
「それを他人が信じるとは思えないけど・・・」
「大丈夫！行動でその気が無いことを示せば。よく言うでしょ、『火のない所
に煙は立たぬ』って。現に付き合ってなければ信じるようになるわよ」
「ま、それはあんた１人の問題だからそれでいいけど、アレフに鍵を渡したら、
アイツ、あんたの部屋まで夜這いぐらいかけてくるんじゃない？」
「それも大丈夫。物理的に無理だから」
「どういう事っスか？」
「あの鍵は、ドアの鍵なの。で、ドアを開けるには何処にいる必要があるかし
ら？」
「そりゃあ、あんたの部屋の前でしょ？」
「その部屋の前に来るには？」
「このジョートショップに入らないといけないっスね」
オフェーリアは、そこでニッコリと微笑んだ。
「はい、その通り。で、私が渡したのはあくまで『部屋の鍵』で『ジョートシ
ョップの鍵』じゃないのよ」
「って、事は・・・」
「そっ、アレフが夜這いするには、まず、ジョートショップの鍵を開けなきゃ
いけないの。でも、あいつは持ってない・・・」
「つまり、あんたの部屋の鍵はあっても無駄って事？」
「そーゆーこと。ふっ、アレフの単細胞め、せいぜい役立たずの鍵をもらって
よろこんでなさい！」
含み笑いなんぞするオフェーリアを見つめつつ、パティはポツリと呟いた。
「お、鬼ね、相変わらず・・・」
「そうっスね・・・」
２人（？）とも、冷や汗たらしながらの評価であった・・・。
さて、その日の夜。ジョートショップに近づく男の影、１つ・・・。
その男は、勝手口に取り付くと用意していた鍵を使ってドアを開けると、音
もなくジョートショップに滑り込んだ。月明かりという微弱な光だけを頼りに、
彼は階段へと進む。音を立てないよう、靴を脱いでいるという念の入れ様であ
る。そうして、物音らしい音を何１つ立てずに、彼は階段にとりついた。その
時！
「何の御用かしら？ア・レ・フ・☆」
意地の悪い笑みを含んだ声と共に、ポンという軽い音がした。それと同時に、
この廊下が明るく照らし出された。光源は、声の主の手にある鬼火のような光
球。照らし出された侵入者、アレフは口の端がかすかに引きつった笑顔を見せ
た。
「や、やぁ、オフェーリア。こんな夜遅くに起きているのは美容によくないよ」
「こんな夜更けに、ノコノコやって来たあんたに言われたくないわね」
裾がひざ下まであるような大きなシャツを寝間着代わりに着た（の、割に色
気がかけらほども感じられない）オフェーリアは静かに言い返し、重ねて問い
ただした。
「で、あんたは何をしに来たわけ？」
「いや、可愛い君の寝顔を寝酒代わりに見ておこうと・・・」
「要は、夜這いって事ね」
アレフの答えを、オフェーリアは実も蓋もない要約をかけて言ってのける。
そして、大きくため息をついて呟く。
「一度、あんたのただれた思考回路、焼いた方がいいみたいね・・・」
「お、おいっ、オファ。でかい音立てたら、アリサさんが起きちまうぞ」
「大丈夫、この辺り一帯に遮音結界を張っておいたから☆」
何だかものすごく嬉しそうなオフェーリア。何故か顔を引きつらせながらも、
アレフは一言だけ言ってみた。
「じゃあ、せめて、そのアリサさんの寝姿を・・・」
「〈カーマイン・スプレッド〉！！」
ちゅどーーーん
「死ねっ、死んでしまえ、この節操なしのスケコマシが〜！！」
さらに、誠意をこめた〈ルーン・バレット〉が５発ほど、アレフのいるとこ
ろに打ち込まれた・・・
・・・翌朝、黒こげのアレフがすまきにされてローズレイクに浮かんでいた
そうな・・・
ＥＮＤ
後書き
「アレフに鍵を」いかがでしたでしょうか？私が書いたＳＳとしては、一番
短い作品です。やっぱり、勢いにまかせて書くと違うようで・・・。
１週間ちょっとで書けました（いつもは一ヶ月か二ヶ月はかかる）。
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松