…正直なところ、エルとイヴの接点はよくわからない。
チェス仲間なようだが、どうにも考え方がアンバランスなように思えてならない。
Un-Balance
「はい、チェックメイト」
「わ、またかよ。敵わないな…エルには」
俺は頭をかく。ここはマーシャル武器店の店先。
たった今、エルにものの見事に負けた後なわけで…
正直言って、チェスに関しては…俺はエルに勝ったことは無い。
その時だった。
「こんにちは、エルさん」
ドアが開いた。
それと同時に静かな声。
「ああ、イヴ。どうしたんだい？」
「あなたの探していた本を届けに来たのよ。あら…チェスをやっていたの？」
「そうなんだよ。…どうだ、１回？」
…俺は絶対にイヴが断るかと思っていた。
彼女は仕事中だし、こういうときに受けるような人じゃないかと思っていた…のだけれど。
「そうね…一回だったら良いわ。今日は別の係の人も来ているし」
「じゃあ、決まりだ。お前はどうする？」
「あ、俺はここで見てるよ」
俺は見学することにした。
…正直この２人がチェス仲間ということは知っていたが、実際２人がチェスをしているところを見たことは無かった。
「じゃあ、始めようか」
そして、駒が並べられ始める。
…
…
…
…何なんだ？この空気は…
コトリ
コトリ
駒の音だけが鳴り響く。
…空気が重い…u
とりあえず、互いの表情を見てみるが…
もはや、他の音など聞こえてもいない様子で。
チェスの事しか目には見えてないようで。
…なっ…何だか苦しくなってきた…
「…チェックメイト」
その瞬間、全ての空気が軽くなった気がした。
「あっと…やられたな」
「でも、エルさんの攻めも良かったわ。それじゃあ、私はこれで失礼するわね」
「ああ、楽しかったよ」
そして、イヴは去っていった。
「なぁ、エル」
「何だ？」
「お前ら、いつもあんなふうにチェスやってるのか？」
「そうだけど…それがどうかしたのか？」
…俺は、この２人が仲良くやっている理由が少しだけわかった気がした。
とてもじゃないが、俺はとてもあんな空気の中でチェスをやることはできない…u
あとがき-言い訳-
111番の松さんリクで書かせていただいた作品です♪
リクの内容が「エルとイヴのSS」ということで、チェスの場面もとのことですので。
…しかし、こんなの…SSと言えるのですかねぇ…u
いや、この２人のチェスしてる場面ってこんな感じじゃあなかろうかと。
ちなみに、1stの主人公視点で書いてみました。
うちの主人公達に誰にも適役がいなかったもので典型的な1st目指して書いてみたのですが、どうでしょう？
それでは松さん、リク遅れてしまってすみません＆リクどうもありがとうございました〜vvv
葵奈沖さん、ＳＳどうもありがとうございました。
エルとイヴ、「接点がある」という設定なのに、いまいち想像がつきにくい２人ですが、納得いく話だと思います。
デフォルト主人公が息苦しさを感じる辺りは結構笑えますが、こらえ性が無くて（笑）。
それでは、こんなところで。